Stretch

さて、意外に飲み屋が充実している我が家界隈であるが、また新規参入店が出来たのであった。

何と言うか店構えからして既に「美味しいですよ」ムードを醸し出しており、前を通る度にいつか行きたいな、という思いを掻き立てるには十分すぎるのであった。ということで昨日はたまたま外食することになり、まず真っ先にその店に行こう、と思い立ったのであった。

金曜の夜なのに客が1組しかいない状況はどうなのだろうか・・・、と思わせられるほどなのであるが、まあ、まず店内も非常にこざっぱりとしていて、とても良い。あ、ちなみに言い忘れたが焼き鳥屋である。広すぎず狭すぎず、絶妙な大きさの店内である。

で、メニューを見ると、さすが地鶏を使用しているだけあって、なかなかにちょっと高めである。焼き鳥なのに・・・、と思いながらいたが、それでも他の変な飲み屋に行って高い金払うよりは、まあ、良いや、となって内臓系以外(注:私は好き嫌いはほとんどないのだけれども、動物の内臓系はちと苦手である)の中から2,3種チョイスして注文した。ワクワクしながらビールを飲んでいると、運ばれてきたのは、大きくも小さくもない焼き鳥である。ほほう、と思いながら食べてみると。

泣いた。感動した。本当にこんな美味しい焼き鳥あるんかー、というような、もしくは『ミスター味っ子』状態の「うまーいー!」という衝撃が私を貫いたのであった。言葉では言い表せないが頑張ってみると、かなりジューシーではあるが、それが全く嫌味ではない、あー、何と言うか上品な味なのである。

そのファーストインパクト以外の注文品も大層美味しく、本当に今だにそのときのことを思い出すと何か笑みがこぼれるような、そういう体験をしたのであった。

ということでこれから飲み会企画するときには、私の家の最寄の駅集合にしたい、という我儘な思いで一杯である。そして、次行ったらボトルキープしてそれを口実にして通おう、という所存である。

まあ、たまに行くから良いのだけれども、ということは十分認識しているが、いやー。Lennie Tristanoの「Descent Into The Maelstrom」を聴く。日本盤のみでリリースされた1976年のアルバムである。と言っても録音時期は50〜60年代のもので歩みを辿る、みたいな感じもある。私はピアノソロのセカンドしか今まで聴いたことはなかったが、このアルバムはトリオ編成の録音も聴くことができ、新鮮であった。リズム隊に不満を持っているが故にソロを録音した彼であるが、いや、そんな悪くないじゃないですか、しっかりスウィングしてるし、とか思う。しかしこのアルバムにも収められている本当に漆黒の渦巻きのような、また彼の体内リズムにのみしたがっているようなソロを聴くと、あー、1人でやりたいという気持ちもよくわかるなあ、となってしまうのであった。とにかく彼がとんでもない技巧の持ち主であり、そしてその技巧を生かす方法をよくわかっているのだなあ、と今更ながら感心させられるのであった。