Buddha

何度も何度も申し上げているとおり、食に関しては保守的な私である。

いちご大福、とかかなり(微妙に今でも)抵抗があるし、という感じなので大したものだ、と思っていただければよろしいかと思う。

そんな私であるが、過日「ポテトチップ・チョコレート」というものを食べた。これはまあ、名前からすぐにご想像がつくように、ポテトチップにチョコレートをかけたものである。

まあ、まず私だったら、たとえ美味い、という話をさんざんっぱら聞かされていたとしても買わない。しかし我が家には既にあったので、食べることになったのである。

思えば昔誰かに「いかチョコレート」というさきいかにチョコをかけたのを食べさせられたことがあって、それはもう、まったくもってお話にならない、というか人間の食い物ではない、というかこれ考えた人間は磔刑に処す、打ち首獄門に処す、という感じのものであった。好きな人がいたら申し訳ないが、少なくとも私はそう思ったのであった。その経験が尾を引いているので、チョコがけの何か、というものには猛烈に疑心暗鬼な私なのであった。

したら。これが大層美味しいのであった、ポテトチップ・チョコレート。塩味とチョコの絡みが良い具合に絶妙で、納得のいく味であった。まあ北海道の激ウマチョコ会社の「Royce」が作っているのだから、間違いないわけではあったのだが、実際ここまでだと驚かされるものである。

ということで一歩自分の殻を破ってはみたが、冷静になってポテチとチョコ、って物凄いカロリーだよな、絶対。殻は破ってみたが、物理的に殻が、というか服とかが破れる事態は避けたいところである。

気をつけよう。「Luke Haines Is Dead」という3枚組を聴いていた。まあつまりThe Auteurs〜Baader Meinhof〜ソロ、という3つの時期を収めた、Luke Hainesという男の活動の変遷をたどることのできる、ある意味すごいコンピである。Black Box Recorderは入っていないのだけれども。しかしシングルヴァージョン、とかシングルのB面、とか限定EPの曲、とか未発曲、未発テイク、ライヴ、とレアトラックてんこ盛りでうおおお、とあっつく盛り上がることができる。まあシングルは全て所有しているのだが、こうやってまとめて聴くとやはり、抑えようがなく盛り上がれる。決してポップに弾ける、という展開はない、皆無なのであるが、それでもどうしてもこのイギリスで一番性格が悪いと言われる男の作る曲には抗えない魅力がある。ヒタヒタと迫ってくるようなメロディラインと、決して美声ではない彼のヴォーカルが相まって、時にアグレッシヴに、時に優しく心を揺さぶるのであった。しかし既発の曲は全部しっかりと覚えていた自分にちと驚いたりもした。