Gasoline Man

ちきしょう、茄子って難しい奴だ。

2日続けて食べ物ネタだと辟易なさっている方もいらっしゃるかと思うが、茄子は難しいのである。

油を良く吸いやがる。且つ、アク抜きしてみたら発色は良くなったものの、さっぱり白いところがくたっとならない。

この間は料理本に「なすを縦に4等分し」という表現があり、何か変だ何か変だ、と思いっきり茄子を縦に平行に4等分してみたが、どう考えても「等分」ではない。おかしい、おかしい、と思いながらいたが「上から見ると十文字に切れば4等分・・・?」という考えに至ったのは実に茄子を切ってフライパンで炒めている最中のことであった。これは茄子の、というよりは料理本の問題かも知れぬが。

昨日はトマトソースでベーコンと共に炒めてパスタにかけてみた。市販のソースだけでは味が足りぬと思い、にんにくをみじん切りにしてからベーコン、茄子の順で炒めて且つ塩胡椒もがっつりし、味わい的には完璧になったものの、肝心の茄子の野郎が硬くて、どうも食感的にイマイチであった。

何度も茄子を調理しているが、どうも本当にくたっとなった状態まで炒めたことがないような気がするのは、やはりスピードに全てを求めすぎる私の性分か。アンドロメダよりも、罪よりも速く炒めてしまうからどうもいけないのか。

何かもっとペース落とせよ、と茄子に諭されているような、今日この頃である。それとも昨日料理しながらThe Young Godsの「T.V. Sky」なぞ聴いていたから加速したのか。スイス出身の3人組の92年リリースのアルバムである。プロデュースはSwans、WisebloodのRoli Mossimannである。これが、またうおおおなんであの時聴いてなかったのか、と思わせる素晴らしい内容なのであった。初期はモロにDAFな、Einsturzende Neubautenな音だったらしいが、ここら辺まで来ると当時、インダストリアル、とか呼ばれて一括りにされていた音に近い。しかし強度のみ、ではなくしなやかで且つ重厚、という不思議な感じはこの連中ならではのように思える。ヴォーカルの力強さもあって、湿っぽさよりはカラッとした感じも印象的である。コンパクトなナンバー連発で小気味よく進み、最終ナンバーは20分弱、というバランスの悪さもこうなってくると愛おしい。いやー、こういうのっていつになっても興奮できるのは何故なのだろうか。もっとゆっくりと茄子を炒めたいというのに。