I Hear Only Silence Now

春には春で「春眠暁を覚えず」とか言って自らの眠さを正当化し、夏には夏で、「暑いだけで体力を使うので眠い」とか言い逃れ、という私であるが、今この秋の季節の眠さをどう言って正当化すべきなのか。

昼食後が死ぬほど眠くなるので、ご飯の量を減らしたのである。「炭水化物を多く摂取→血糖値の上昇→眠気」、と自分なりに理由を考えた末である。結果:意味なし。そして挙句の果てには夜も早々に眠気でわけわかんない状態に突入、という体たらくである。

これは私が怠惰なのか。それとも今の世の中が人間をこういう状態に陥れてしまうイルな構造をしているということなのか。前者はまあ、否定しない、というか出来ない。後者に関しては、こういう理由だったら良いのに、という一種の願望であることは間違いない。

とまあぐだぐだ書いているが、結論としてこの秋の眠さは、ほら「食欲の秋」とか「芸術の秋」とか「睡眠の秋」とか「スポーツの秋」とか言うでしょ、と何気なくオリジナルの「〜の秋」を紛れ込ませることで逃げてみたいところである。

しかしこういう音楽を聴くと覚醒する。David Jの「Etiquette Of Violence」を聴く。Bauhausのベーシストだった彼が解散直後にリリースしたファーストソロである。そうかGrassレコードからのリリースだとばっか思っていたが、このアルバムはSituation 2からのリリースだったのであるね。実は私は彼の後のソロは死ぬほどの愛聴盤なのであるが(いまだに、である)このアルバムは初めて聴いた次第である。1曲でドラムスに弟であるBauhausのケヴィンが、また1曲に女性ヴォーカルが参加している意外はDavid Jが全ての楽器をこなしている、本当にソロらしいソロアルバムである。彼の後のソロもであるが、時に嫌味な感じのマイナーなコード進行の曲と、異常に高揚感のあるメロディの曲が良い感じで溶け合って存在していて、素朴な演奏とも相まってズブズブとはまり込んでしまうわけである。Bauhausメンバーの解散後の活動はどれも素晴らしいものだが、思いっきり我が道を歩むDavid Jの姿は、この最初のソロアルバムにもしっかりと見て取れるのである。いやー燃える。と今は2005年なのに宣言しておきたいところである。