Jesus Was A Cross Maker

何だか体調がグダグダで更新もままならず、またしても穴が開いてしまいまして失礼いたしました。

それもこれも先週のマザファカな激務のせいなのだが、そんなこと言ってられない、仕事で疲れたとか忙しいとか言っているなんて愚の骨頂だ、そんな時間は俺にはありゃしねえ、という無駄な勢いでレコフェアに行ったりしたのだった。昔は我が街でも毎月のような狂った勢いでレコフェアをやっていて、それはそれは財布的には大変だったが、逆に今では半年に1回程度しかないので、何だかもの寂しさを覚えるのも事実である。

しかし寂しいのはそんな強行スケジュールで(飯も食べてない状態で、前の晩3時間くらいしか寝てない状態で)行ったにも関わらず、中身知ってるレコード5枚と知らないレコード1枚、という買い物だったことであろうか。間違いはないお買い物ではあったものの、なんかこう、がっつーん、という出会いは少なくなってきたなあ、という思いで一杯である。大体箱見ていて、お、と思うのは持ってるレコードだったり、という展開になってくる確率が高くなってきているわけで(ってそれは自分のせいなのかも知れないが)。

しかしそんな中でも欲しかったものが安価で入手できたからナイスと言えばナイスなわけである。ただ、そんな1枚、The Damnedのあんまり人気ない時期のアルバム「Anything」エニシング(紙ジャケット仕様)が激安で嬉しくて買ってきたものの、なんとUKオリジナル盤でしかも初回盤のダブルジャケで中から飛び出す絵本のようにメンバーが飛び出すギミック付きだったことは大層喜ばしかった。と同時に、最早初回限定、という認識もされない程度(何せ値札には何のキャプションも付いていなかった)なのか、と大層悲しくなったのであった。まあ、ラッキーではあったのだが、なかなか人間難しい生き物で寂しさにも襲われたものである。

まあ、Judee Sillのファーストオリジナル盤が激安で購入できたから良しとしよう。何百回聴いたかわからない1971年のアルバムである。もう彼女に関してはここ近年再評価やら発掘音源やら大層にぎやかであったので今更ではあるが、いずれにせよこのアルバムの持つ一種危険なまでのメロディとアレンジと歌声の美しさは、やはり何度聴いても衝撃的である。やはりアナログで聴くと音が違うぜ、とかそういうフェティッシュな聞き分け方はちょっと私には出来ないのだけれども、針が溝をこすっていくにつれて彼女の歌声も何だかこちらにぐいぐいと迫ってくるような気がする。明らかに幻想に近い思いであるけれども。CDで持っているものをLPでも所持する、ということに関しては時に有意義に思え、また時には無意味なことのようにも思えるのだけれども、ジャケットの作りといい、何だかこれは出会えてよかったLP盤である。しかし何度聴いても、素晴らしいなあ、と感動する歌と演奏とメロディなのだけれども、ちょっと普通じゃねえな、という思いも同時に頭を擡げてくるのである。セカンドでもそれはそうなのだが、ファーストの方がより素朴な感じ故に、その普通じゃなさも強烈だったりする。