Bata Motel

「Harlem Shuffle Vol. 1」
2006.7.8 (Sat) @Club SHAFT (Sendai) 21:00〜 \2,000 ( 1 Drink )

Guest DJs:
高橋孝博(HALFBY)/ 森野義貴(HANDSOMEBOY TECHNIQUE)/ 小山内信介(SECOND ROYAL)
http://www.secondroyal.com
DJs:
Takashi Tamayama, tdsgk, YMDMKT

是非どかんと遊びにいらしてください!

日頃アートというか芸術というか、そういうものとはひどく縁遠い私ではあるが、最近はパトリック・ワルドベルグの『シュルレアリスム』という本を読んでいる。→シュルレアリスム

まったく、私は種々の芸術運動など、ほんの一齧りくらいしか知らないが、とりあえずちょいと勉強してみよう、勉強はできるうちにしておいた方が良いよ、とたしか森高千里も歌っていたではないか(余談だがこの間彼女の「ハエ男」をふと聴いたが、名曲過ぎて焦った)、ということで読んでいる。

普通の「勉強」だったらすごくつまらなくて投げ出してしまうのだけれども、この本は面白いのでずーっと読んでいる。たぶん深いところまでは全く理解していないのだけれども、シュルレアリスム運動の名の下での活動、思想が結構胸ときめく内容なので、惹きつけられてしまう。

この本自体は筆者によるシュルレアリスムとは何かを噛み砕く概略説明とか、「宣言」とか「大学総長への手紙」とかそういうものの引用、などから成り立っており、面倒くさがりの私にとってはとりあえず全容を掴めたような気持ちにさせてくれる、非常にナイスな入門書と言えるのではないだろうか。何せ私が入門できたような気になれるわけだから。

ところで何が面白いか、というとあくまで私の意見なのだけれども、夢想家たちが集まって、夢想のみならず現実社会に於いて、作品とか政治的な活動とか啓蒙的な活動とかを通して夢想と現実をリンクさせようとした、その試みが面白い。具体的な方策がどうこう、ではなく実際にやってみる、というところに非常にガッツを感じるし、また(馬鹿みたいな意見だけれども)憧れてしまうのであった。現代との比較などはナンセンスなので考えないが、たぶん私たちが見過ごしている動きがあって、それがまた時間を経ると「○○運動」という風に名づけられていくのだろうか。どうなのだろうか。

しかし夢想が活動になるのなら、私も日がな一日中活動をしていることになるなあ、と思った。おお。しかし問題はそれからのアウトプットが何らかの形で成されるか否か、であろう。ということで私の場合は内的活動に止まっているので、それは「活動」とは見なされないのであった。ま、単なる妄想野郎、ってことで終わってしまうのであった。

何かアウトプットの手段は、とか考えているうちはもう全然ダメなんだろうな、とか思いつつ朝っぱらからCrassの「Penis Envy」を聴く。81年の作品である。このアルバムには中心人物のIgnorant氏は参加しておらず、ヴォーカルは女性メンバーのEve Libertine嬢が主にとっている。だからだろうか、この作品はバッキバキのハードコア的な、というよりはどちらかというとLiliputとかFamily Fodderとかのいわゆる「ニューウェーヴ」とカテゴライズされる女性ヴォーカルバンドの作品にも近い手触りがあって、私にはすんなりと入ってくる。スピーディなナンバーが大半を占めるが、ノイズ渦巻くカオティックなナンバーなどがあって、そのどちらの傾向の曲も素晴らしく格好良い、とかこんなダメ形容で良いのだろうか。ジャケやらタイトルやら裏ジャケの聖書からの引用も物語る通り、女性と男性のgender面、sex面での内容の歌詞が大半で、しかもどれも強烈なものなので歌詞カードを読みながら聴いたりすると、結構戦慄が走る。しかし音楽的にももちろん、それだけでも十分に訴えかけてくるので結局朝から熱狂してしまうのであった。