Come On In My Kitchen

「Harlem Shuffle Vol. 1」
2006.7.8 (Sat) @Club SHAFT (Sendai) 21:00〜 \2,000 ( 1 Drink )

Guest DJs:
高橋孝博(HALFBY)/ 森野義貴(HANDSOMEBOY TECHNIQUE)/ 小山内信介(SECOND ROYAL)
http://www.secondroyal.com
DJs:
Takashi Tamayama, tdsgk, YMDMKT

是非どかんと遊びにいらしてください!

思えばあまり植物を育てたことはないのである。

というかあまり興味がなかった、というか。というか自分1人を育てることで精神的に一杯、というか。まあ、それは言いすぎだとしても、引っ越した際に木を貰ったりしたが、その木も、断じて手をかけなかったということではなく、考えられうる限りの努力はしたにも関わらず、4ヶ月くらいで全ての葉っぱが落ち昇天してしまった記憶がある。

人には向き不向きがあるのだ、とか自分を納得させたりしていたのだが、この度我が家に、クレソンとスウィートバジルの苗がやって来た。この2種類のチョイスからしてもうお分かりかとは思うが、お料理にナイスなワンポイントを添えてくれるものである。しかし私が育てたりすると多分どうしてもまた枯れてしまいそうな気がしてならない。しかしこれは絶対に生き延びさせなければならない。パスタのバジルソースを作ったりするのだ、という夢がある限り、決して枯れさせてはならない。死守せねばならない、という悲壮な覚悟で臨みたいところである。仕事休んで世話したり、とか。

それは本末転倒に過ぎるにしても。しかし、そもそもそんなに手がかかるものなのか、という話なのだが、これまでがこれまでの私である。だからこそ、このクレソンとスウィートバジルがきちんと育つか否かで自分が試されるのではないか、という気がしている。何かこれで上手く行ったら趣味は園芸です、とか言えるようになるのではないか、とか。

まあ、勿論おわかりかとは思うがそんなに大袈裟なことではない。しかし臨む気持ちとしては、かなり悲壮なものである、ということをここに記したいものである。

しかし何か最近散歩が良い、だのクレソンとバジルを育てる、だのそんなことばっかり書いていて、でも実際そういうことばかりしているので、やはり年と共に人間丸くなるのかのう、という気がしてならない。だからLoren Connorsの「Night Through」を聴く。これは1976年から2004年までの彼のシングル曲とかコンピ収録曲とか未発曲を集めた3枚組の作品である。いつの間にやら名前から「Mazzacane」が消えているが、これの由来もライナーには買いてあって凄く面白かった。さて、私が彼の名前を意識したのは大体10年くらい前の、所謂音響ブームの頃であろうか。その頃からギター一本で凄い音響空間を作る方やのう、と思っていたがこのヴォリュームたっぷりの3枚組ではそこら辺の音響空間っぷりをしっかりと楽しめる。元々はブルーズに根ざしたインプロヴィゼーションが多いらしく、ディスク1ではギターの音の響きのみを追求して、そこにブルーズを見出すような、そういう作品が収められている。とは言え、あまり私はブルーズとやらには明るくはないのであるが。ディスク2ではそこから踏み出して、更に音の響きを追求して断片化してしまったような、声のない灰野敬二の激烈な方向に行かない系、というか(もう自分で何書いてるか分からない)そういう曲が、そしてディスク3にはガーシュウィンを下敷きにしたナンバーからヴォーカルが入ったナンバー、ライヴ音源など、とりあえずこの男の歩みをざっと捉えるには最適なコンピである。こうして書くと結構ヴァラエティ豊かに思えるかも知れないが、良い意味で全てを支配しているのは、彼のエレキギターの深い、震える音、である。だから全体を通しての印象は、一杯彼のギターが楽しめて良かったなあ、というそういうバカみたいなものである。決してポップな感じではないのだが、どうしてもこのギターの響きには不思議と落ち着きを覚え、癒しと戦慄を感じたりもするのだった。3枚組でヴォリュームたっぷりではあるが、まだまだ聴き足りないぜ、もっともっと、という気持ちにさせられたりもする。こういうの、最近凄く好きなのだなあ。